映画『君たちはどう生きるか』の感想と考察!もっと単純に、こうじゃない?というお話。

本日は、映画『君たちはどう生きるか』の感想と考察を!

ゴリゴリのネタバレありで書いていきます。

自分はネタバレ反対派なので、できる限り、映画をご覧になってから読んでいただきたい!


1. 書こうと思った理由

2. あらすじ

3. 自分の解釈

4. 疑問点

5. ネット上の評価と自分の評価

6. 最後に


1. 書こうと思った理由

ネット上の考察を見ると、戦争と結び付けて考えている方もけっこういたりとか、「Don't Think, Feel!」と化している方もけっこういるようなので、「え?こういう話じゃないの?」というのを書きたいと思います。

それから、宮崎駿監督の、これまでの創作活動や今の状況などを踏まえて、こういうことを描いたというメタな視点の考察も、ネット上にたくさんお見かけしました。

そういうのは、けっこう正しかったりすると思うんですが、ちょっとそこまで視野を広げた考察ではないです。

そこまで行くと、ちょっとリサーチのお時間が足りない。

もっと、単純に、「え?こういう話でしょ?」というお話。


ではでは、ネタバレたっぷりに書いていきます。


2. あらすじ

ネタバレ反対とは言え、さすがに、簡単にあらすじを書いていきましょうかね。

後程、考察の際に、ここどゆこと?というのに触れていきますので、普段より詳しくあらすじ書いていきます。


ストーリーは、戦争で、主人公の母がいる病院が焼けるところからスタートします。

だいたい合ってる。

いやいや。


ストーリーは、戦争で、主人公の母がいる病院が焼けるところからスタートします。

戦争が始まって3年、主人公の母親が亡くなり、その一年後、主人公一家は疎開します。

疎開先は、亡くなった母の実家で、主人公の父は、母の妹と再婚。

母親の妹は、新しい命を授かっています。

母の実家に着くなり、大きなサギと遭遇。

また、主人公は気丈に振る舞いますが、新しい実家ではまだなじめず、学校ではいじめられ、ケガをしてしばらく学校は休むことに。


そんな中、母の妹である、新しいお母さんが行方不明になる。

主人公とお手伝いのばあやが母妹を探しに、家の裏の塔に行くと、サギが正体を現し、サギ・主人公・ばあやは「下の世界」に送られる。

「下の世界」に着くと、主人公がペリカンに襲われているところを、若い頃のばあやが助けてくれる。

ばあやと主人公が魚を取って、「ワラワラ」という白い玉みたいなものに魚をあげると、ワラワラは夜に空に飛んでいった。

「ワラワラ」は飛んでいって、「上の世界」で新しい命になるらしい。

「ワラワラ」がペリカンに襲われていると、若い頃の母が来て、助けてくれる。


翌朝、主人公とサギは、本来の目的の「母妹救出のため」インコの住む家を訪ねる。

インコに襲われているところを、再度、若い母が助けてくれる。

若い母と主人公は、母妹を助けに行く。


一方「上の世界」では、母妹と主人公、ばあやが行方不明になり、捜索が行われている。

そこで、家の裏の塔は、かつて隕石として落ちてきたものを建物に改造したものだと判明する。

また、主人公の母は、かつて塔に入って行方不明になり、一年後に、一年前の姿でひょっこり帰ってきたことがあるという。

隕石を改造して塔にしたのは、母の大叔父で、怪しい研究に没頭していたらしい。


「下の世界」では、主人公と母妹が再開。

主人公が「上の世界」に帰ろうと言うが、母妹に拒絶されてしまう。

主人公は吹き飛ばされて、主人公と若い頃の母は、インコ軍団につかまる。


気を失っている主人公が、夢の中で大叔父と出会う。

起きて、サギに救出された主人公は、若い頃の母を救い、大叔父に会いに行く。

大叔父に、この世界を引継ぐことを頼まれるが、主人公は「上の世界」に帰って、友達を作ると言う。

約束を破って、主人公に世界を託そうとしたからだっけ?インコ大王が怒って、世界のバランスを取っている積み木を崩してしまう。

「下の世界」は崩壊し、主人公とサギは現代へ、若い頃の母と若いばあやは、若い母の時代へ帰っていく。

「下の世界」とつながる家の裏の塔から、たくさんのペリカンとインコが逃げ出し、裏の塔も崩壊。

そして、2年後、一家は東京へ戻る。


と、いうお話。

普段より、しっかりネタバレしました。

解説するまでもありませんが、小説「君たちはどう生きるか」が原作ではありません。

劇中に小説は登場しますが、ほぼほぼ関係なく、エンドロールには、「原作・脚本・監督 宮崎駿」としっかり主張してきます。


3. 自分の解釈

さてさて、これがどういう話だったかなんですが、自分の解釈では、「新しいお母さんとの邂逅のお話」だと思っています。

いや、ま、そりゃそうでしょ、と思うと思うんですが、ネットで見た考察記事の中で、「家族」に触れているものは1つも見つかりませんでした。

何か皆、もっと壮大なことを書こうとしているようでした。

大筋は、少年が、母の死と、新しい母を受け入れる、新しい現実を受け入れる、成長物語だと思います。

「下の世界」についても色々な考察があるようなんですが、劇中で、「地獄」とも「天国」とも言われてますし、「ワラワラ」がここから飛び立って新しい命になることから考えても、死後の世界のメタファーかなと思っています。

「下の世界」に落ちた直後には、「墓の門」もくぐりますしね。

そうすると、最後の、「下の世界が崩壊する」ことをどうとらえるのかが難しくなってきますが、まあ、主人公の囚われていた死、「母の死」からの解放……ということでいいのかな……?

ちょっと怪しくなってきた。

ただ、「下の世界」が、本物の死後の世界だととらえると、「下の世界」が崩壊して、「ワラワラ」が全部死んでしまっとるやないかい、もう永遠に命が生まれてこなくなってしまうやないかい、ということになるので、やっぱり、本物の死後の世界ではないか、死後の世界の一部分と考える方が正確かもしれないですね。

大叔父が作り出した世界ですし、偽、主人公の思う死後の世界なのかな。


「下の世界」には鳥ばかりなのも、ちょっと不思議ですが、死後の世界は鳥多いイメージですかね?

大叔父のいるところに向かう天国の景色は、鳥似合ってましたね。


4. 疑問点

自分が分からなかった描写についても書いていきましょうかね。

時系列で言うと……、まずは、おじいさんかな?

実家には、お手伝いのばあやが7人出てきます。

これはもちろん「7人にんのこびと」だと思います。

インコ軍団に囚われているときの、若い頃の母は、思いっきり「白雪姫」でしたね。

ただ、ばあやと別におじいさんも1人いるんですよね。

主人公にナイフのとぎ方を教えてくれる役目しかないと思われるおじいさん。

アイツは何者だったんだ。

役目的にも、お手伝いのばあやのうちの誰かで十分そうです。

じいさんには、何か表現があったのでしょうか……。


次に疑問に思ったのは、「下の世界」に行って、若いばあやの家で寝ているときのこと。

主人公は、ばあや人形6体に囲まれて寝ていますが、案の定、「ばあや人形は動かしてはいけない」と言われます。

案の定、ばあや人形を動かしてしまうんですが、そこで起こったできごとが、「ペリカンが落ちてくる」だけなんですよね。

こういう、「結界を破っちゃう」みたいなことは、災厄がなだれ込んでくるイメージですが、ペリカンが落ちて、事情を聞くだけでした。

ペリカンの後に、サギも来て、まあサギは災厄かもしれないので、「ペリカンが落ちてきたと思わせて、ホントはサギがいることに意味がある、2番目に来たサギがホントの災厄」というと、それらしいですが、自分の解釈では、「どっちも」という、ペリカンもサギも、人形が動いたから入ってきたということで落ち着きました。

いやー、もうちょっと意味がある気がするな。


それから、母妹、夏子さんを救出する場面。

大量の「紙」に襲われる母妹と主人公でしたが、この「紙」も何を表しているか分からなかったですね。

母妹は妊娠しているので、お札的な、「神聖なもの」ということなのかな?

もっと、疑問だったのは、ここで、母妹の夏子さんを「救出できなかった」こと。

「下の世界」に行く目的は、母妹を連れ帰ることですが、ここで主人公は「夏子かあさん!」といって、「母として受け入れる」描写がありますが、結果的に救出できず、インコ軍団につかまってしまいます。

この後、母妹はいつ救出されたのか、忘れてしまったんですが、本日時点でのwikiでは、「塔へたどり着いたキリコによって救われたナツコと眞人たちは合流する」となってますので、主人公は、ストーリーの一番の大筋である、「行方不明になった新しい母を連れ帰る」ことには成功しますが、別に「試練を乗り越えて、母を救い出す」という印象ではなかったんですよね。


5. ネット上の評価と自分の評価

いつものようにネット上の評価を。

インターネット・ムービー・データベース(IMDb)の評価は、7.8/10。

Rotten TomatoesのTOMATOMETER(批評家スコア)は評価なし、AUDIENCE SCORE(一般スコア)は100%。

Rotten Tomatoesの方は、実質、まだ未評価ですね。

自分の得点は、んー、8.0/10くらいかなあああ。

めちゃくちゃ面白かった!という感じではないですが、少なくとも、劇中の単語や数字や細かなアイテムについて考察するだけでも、何日も楽しめる感じですね。

それを思うと、何度も見返すほど味が出るかもしれないです。

見返す度に、評価も8.0、8.1、8.2、と上がっていくかもしれませんね。

ただ、ジブリ作品は、アマプラとか、配信に出てこないですからねー。

作業中に何度も流しっぱなしにして、何度も見て、とかができないですよね。


6. 最後に

それから本作は、「事前に宣伝を一切行わない」ことが話題となりました。

多分、本日現在もオフィシャルサイトがなく、劇場では、「パンフレットは後日通販で販売」と書かれていました。

予告編もなく……、何が言いたいかというと、イラストやマンガを描く資料がない!ということ。

本日のブログのマンガは、かなり映画を見た印象で描きました。

こんなキャラだった気がする……。

そして、「インコ大王」というパワーワードが大好き過ぎます。


と、いうことで、書きたかったこと、思いついたことは、こんなくらいかな。

上のあらすじは、自分の解釈があった上で書いているので、自分の解釈が分かりやすくなっていると思います。

前述のように、ネット記事なんかでは、「駿監督の創作活動の終わりを表現している」とかメタな考察が多かったので、もっと単に家族が和解するために、思春期の主人公が冒険に出るお話がストーリーの大筋だよ、というのを書きたかったというお話。


本日は、猫YouTubeはお休み!

ではでは、また明日ー!

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